産学連携をめぐる産学間のコンフリクトは, 「 としての大学」「 としての大学」という2つの大学モデルの衝突で説明できる. 産学双方が大学を と見る場合は研究管理型産学連携, 双方が と見る場合は学術研究型産学連携が成り立つが, モデル不一致の場合には品質管理問題や知財権者問題が生ずる. 産学連携コーディネートにおいては将来ニーズ, 将来シーズの仮想マッチングといった思考実験や, リスクやコストをふまえたコンフリクト管理が重要である. 大学がどこまで「産」たることを追求するか, あるいは追求しつつも「学」たりうるかは, それ自体が産学連携の課題であろう.