島根大学 (旧) における産学連携活動の現状を分析しその特徴を明らかにすると共に, 現在の問題点を明確にし, 今後の産学連携活動の方向性について検討した. (1) 産学連携の主な相手先は, 島根県内の中小企業であり, 産学連携活動の特徴は, 大学の位置する地域に根ざした「県内展開中心型」である. (2) 産学連携活動における全般的な問題点としては, 比較的小規模な研究が多い, 実施する研究者と企業とも固定化されつつある, 文系の共同研究が少ない, の3つが挙げられる. (3) 産学連携活動の特徴を活かし, かつ, 問題点を解決し, 活動を活発化させ成果を上げていくためには, 地域社会と一体となった活動に重点化し, 地域の活動から全国, 全世界の活動に広げていくという方向性が有効と考えられる.