公的資金による研究開発においては,Plan-Do-Check-Action(PDCA)サイクルの徹底により,効率的・効果的な実施に努める必要があり,NEDOでは,事前,中間,事後および追跡調査・評価を実施してきている.これらの内,筆者らは,平成16年度より本格的に研究開発プロジェクトの追跡調査を実施しており,プロジェクト参加機関に対する調査票やインタビューを通じ,NEDO成果の広がりの把握や,マネジメントの改善に資する情報の収集に努めてきた.本稿では,追跡調査・評価の背景,目的について概説した後,主としてマネジメント改善のための示唆事項抽出を目指した,新たな試みである追跡チャートの活用とその分析結果について紹介する.これまで得られた追跡チャートから,マネジメント上の具体的改善示唆事項がいくつか得られているが,一方で正確な情報を得ること,得られる情報の客観性を確保していくこと等,今後の課題についても明らかになった.