産総研では,独立行政法人発足直後から全ての研究ユニットの研究評価を組織的に行ってきたが,第2期(平成17~21年度)に入ってから新たに「アウトカムの視点からの研究評価」を導入した.これにより各研究ユニットは,研究評価の際に目指すべきアウトカムと同時に,そこに至るシナリオ・ロードマップを提示することになったが,新たな産業技術の創出を目指す産総研の各研究ユニットにとって有効な研究評価手法となった.一方,将来のイノベーションを誘起するために必要な産学官連携のあり方を考えると,この手法に加えて産学官の強い相互作用を評価する新たな評価指標なども今後工夫が必要となると考えられる.