大学と産業界との連携・協力の推進拠点としての役割を果たす共同研究センターが我が国の国立大学に設置され始めてから20年以上が経過したが,その間に国立大学の法人化等により,大学を取り巻く環境が大きく変化してきており,これに伴い大学における産学連携組織の再編が盛んに行われるようになってきている.本稿では,主に公開しているWeb情報に基づいて,全国の国立大学法人における産学連携組織の変遷について調査および分析を行い,組織形態の在り方について考察した.その結果,共同研究センターの組織名称が変化しているとともに,産学連携組織の半数以上が何らかの再編を行っており,その中でも共同研究センターの組織内に知的財産本部の機能が組み入れられ,枠組み,名称,内容を変更し,統合によって再編する割合が最も高いこと等を明らかにした.