地域の中小企業が単独でイノベーションを創出するのは経営資源に限りがあり,容易ではない.各地で中小企業を活性化する類似の取り組みが実施されている中で,その取り組みによって中小企業がイノベーションを次々と創出し始めている仙台等の地域がある. 本稿では,地域中小企業のイノベーション創出を地域で促進するシステムを考えるために,仙台の地域中小企業と東北大堀切川教授らの支援チームが共同でイノベーションを創出している仙台堀切川モデルの活動を分析し,専門知と事業化知の同時提供機能,地域中小企業のパートナー機能,知の蓄積継承機能を果たしていることを明らかにした.