作業現場における有機溶剤気中濃度は, 時間的, 場所的に著しく変動する. したがって作業者の健康管理を適切に行なうためには, 暴露量を作業者個々の作業時間, 形態に応じて測定する必要がある. このためには, 個人サンプラーは有効な方法の一つであり, 簡便かつ正確なサンプラーの開発が期待されている. 今回は, Feldsteinらが示した, silica gel 吸着-dimethylsulfoxide (DMSO) 抽出脱着法に基づき, 関らの silica gel 部分冷却方式を応用した小型サンプラーを試作した. この装置について, 通気速度と連続使用可能時間, 水蒸気除去剤の検討, 溶剤蒸気の回収率についての検討を行ない, 良好な成績を得たので報告する.