ハノイ市内の1電気機器製造工場の,組み立てラインの労働者39人(男: 28人;女: 11人,平均年齢: 26.8歳)を対象に,疲労調査票(日本産業衛生学会)を用いて作業前後の疲労自覚症状の調査を行った.作業前後の比較では30項目中25項目で作業後の有訴率が上昇していたが, 1.頭が重い, 2.全身がだるい, 3.足がだるい, 6.ねむい, 7.目が疲れる, 8.動作がぎこちなくなる, 21.頭がいたい, 23.腰がいたいの8項目で有意に有訴率は上昇していた(p<0.05: Wilcoxon test).作業に対する認識の程度および特定の職業リスクの有無により分析した結果では,作業のリズムが「はやく」,作業強度が「強い」と感じている作業者,および暑熱と騒音に暴露している作業者で有訴項目数が有意に多かった.