ブドウ球菌簡易同定キットとして市販されているIDテスト・SP-18を用い, 食肉および食肉製品由来 S. aureus の生化学的性状を検討した結果, 以下の成績を得た. 1. 供試234株のうち, 従来法で定型的性状を示した株は231株で, そのうち225株 (97.4%) が S. aureus と同定された. また, 非定型3株では2株が S. aureus , 1株は S. aureus または S. intermedius と同定された. 2. IDテストにより S. aureus と同定された227株は19種類の性状パターンに類別された. 3. 従来法およびIDテストによる性状は, リボース分解性において両者は異なり, 一致率は42.0%であった. 本テストでは特にVP反応, ノボビオシン感受性試験において判定が困難であった. さらに, IDテストを使用する場合, コアグラーゼ試験を併用して行う必要のあることが認められた.