カンピロバクター食中毒の予防対策に必要な基礎資料を得るため, ストレッチ包装, 真空包装, CO2とN2ガス充填包装およびO2とCO2ガス充填包装の生牛肉中での C. jejuni の生存について検討を行った結果, 牛肉中の C. jejuni の生存は包装条件によって影響を受けることを明らかにした. 1. 真空包装や70%CO2+30%N2ガス充填包装あるいは30%CO2+70%N2ガス充填包装した牛肉を1℃に保存した場合, C. jejuni の生残菌数はほとんど減少せず, 長期間本菌が生存した. 簡易なストレッチ包装でも10日間の観察では本菌の著明な減少を認めなかった. しかし, 70%O2+30%CO2ガス充填包装では保存期間とともに C. jejuni 菌数が減少し, 14日保存で2.0×101個/gであった. 2. 各包装食肉を7℃の温度条件下に保存した場合でも1℃保存と同様に, O2とCO2ガス充填包装では C. jejuni の死滅がみられ, 10日後で2.0×101個/gに減少した.