潜在帰納法と書換え帰納法は,数学的帰納法を直接適用せずに帰納的な定理を自動証明する手法として広く使われている。本論文では,統一された抽象的な枠組の中で潜在帰納法と書換え帰納法の関係を考察する。潜在帰納法では合流性と弱正規性が本質的であるのに対し,書換え帰納法では退行性と強正規性が本質的であることを明らかにし,両者の証明能力が異なることを示す。さらに,反駁証明と組み合わせると両者の証明能力が一致することも明らかにする。