CASEツールの開発は,各々が対象とするソフトウェアに応じた解析器を必要とするため,多くのコストがかかる.効率的な開発には,各々のツールで共通に用いられるデータの統合が有効である.そこで,我々はXMLに注目した.なぜなら,XMLは構造化文書のためのデータ記述フォーマットであるが,CASEツールのデータ統合にも多くの利点を持つからである.例えば,XMLの文書型定義(DTD)を使うと,プログラムの複雑な構造や関係をコンパクトに表現できる.本研究では,XMLを用いたCASEツールプラットフォームを構築し,これを基に,プログラムスライシングツールとクロスリファレンサを作成した.この実装実験では,各々の実現は開発者1人で,わずか約2週間ですみ,開発コストの削減を確認した.