システムソフトウェアなどが扱うデータには,パスワード情報のように特定の者にしか漏らしてはならない機密情報が含まれていることがあるが,プログラムが誤って記述されていればその情報が第三者に漏れてしまう.そのような誤りを静的に検出するため,情報流解析と呼ばれるプログラム解析が手続き型言語,関数型言語などを対象として研究されてきた.本研究の目的は,アセンブリ言語や仮想機械言語などの低レベル言語のための情報流解析の手法を確立し,ソースプログラムが存在しないコードの情報流解析を可能とすることである.本論文ではその第一歩として,Javaの仮想機械言語の部分言語に対する情報流解析手法を,StataとAbadiのバイトコード検証のための型システムの拡張として提案する.