本稿では,ディジタル署名システムのモデル化と検証に形式手法を用いたケーススタディについて述べる.われわれは,複数OS (operating system)を1台の計算機上に共存させるDARMAと呼ばれるソフトウェア上に実装されたディジタル署名システムの安全性を検証した.具体的には,対象システムをPROMELA (PROcess MEta LAnguage)を用いてモデル化し,さらに,SPINモデルチェッカを用いてデータの完全性について検証を行った.以下では,われわれのモデル化のアプローチとその安全性検証から得られたメリットについて述べる.