ヒューマノイドをはじめとする実時間ロボットの行動ソフトウェアは,複雑化を続け,開発効率の向上が望まれている.そこで,我々はこのようなソフトウェア開発にLispを用いることで,Lispが備える対話的環境,メモリ自動管理機能等を利用した,より生産性の高い開発環境の実現を目指している.そのためには実時間性,並列性,非同期性といった特徴を有するロボットソフトウェアに適したごみ集めが必要となる.本論文では,ロボットソフトウェア開発のために設計されたLisp処理系,EusLispに対して,我々が実装を行った実時間ごみ集めの概要を述べる.特に,ごみ集め処理に伴うアプリケーションプログラムの停止時間の削減,飢餓状態を回避しつつ,プログラムの実行効率を高くするためのごみ集めの進め方を重点的に説明する.