本稿では過負荷時にWebアプリケーションサーバの性能低下を防ぐSession-aware Queue Scheduling (SQS)を提案する.既存の多くのアドミッション制御はサーバ全体またはページを単位として制御を行うため,セッションを利用する現実のワークロードには適していない.実際のワークロードを重視したスケジューリングを行うために,SQSではページ単位のスケジューラとセッション単位のスケジューラを連携させる.ページスケジューラはWebアプリケーションの進捗を監視することで,最適なページ処理並行度を動的に決定する.セッションスケジューラはページスケジューラの待機リクエストのためのキューを監視することで最適な同時セッション数を動的に決定する.我々はこれらのスケジューラをTomcat上に実装し,セッションを考慮したワークロードを用いて実験を行った.その結果,SQSを用いた場合には過負荷時のセッション処理性能を改善できることが確認できた.