新たな社会基盤へと成長したWebは,障害者や高齢者が独力で様々な情報,サービスにアクセスする為の貴重な手段でもあり,そのアクセシビリティ確保は重要な課題である.近年,Webアクセシビリティへの取り組みが活発に行われ,様々なチェックツールが開発/提供されている.しかし,既存ツールの多くはWebを文法的な側面からのみチェックするため,実際にアクセスしやすいサイトの構築には不十分である.そこで,我々は,新しい概念のアクセシビリティ向上支援ツールaDesignerを開発した.本論文では,aDesignerの特徴である,視覚障害者/高齢者のアクセス環境を健常者にも分かりやすく視覚化する方法,およびユーザビリティの観点からWebページの評価を行う機能について述べる.さらに,aDesignerを用いたWebページの評価結果に基づき,Webサイトのアクセシビリティおよびユーザビリティの歴史的な変遷についても考察を行う.