長い文をペンで手書きすることは煩雑な作業である.この作業を効率よく行うため予測手書き入力を提案する.これはペンで文字列を書き始めると,それに続く可能性のある文字列リストが提示され,ユーザがそれらを選択することで残りの手書き作業を省略できるというものである.我々は手書き文字のマルチモーダル入力システム「音声ペン」を開発した.これは音声認識と文字認識を組み合わせた予測手書き入力システムであり,講義やプレゼンテーションにおける講演者の板書作業を支援するものである.さらに講演者の音声認識結果を聴衆と共有することで,聴衆のノート取り作業にも同様の予測手書き入力が可能である.小規模なユーザスタディにより,システムの有効性を示唆する結果と更なる改善に向けてのフィードバックが得られた.