アプリケーション層プロトコルはHTTP/1.0からHTTP/1.1のような拡張がしばしば行われるため,アプリケーション層プロトコルを用いて通信を行うサーバ/クライアントは,プロトコルの拡張が行われるたびに拡張前との差分に対応する必要がある.そのためにはサーバ/クライアントのプログラムコードも随時更新していく必要があり,プログラムの保守性を維持していくことが難しい.この問題を解決するため本論文では,サーバ/クライアントにおけるアプリケーション層プロトコルに従った状態遷移を記述することにより,サーバ/クライアントのプロトコル処理部のコードを自動生成するシステムを提案する.本システムによる状態遷移記述は,状態の親子関係による状態遷移の継承と,状態遷移のオーバーライドという2つの機構を用いることによって拡張性を実現しており,プロトコル拡張の際も,差分のみを記述することでプロトコル処理コードを容易に拡張できる.本システムにより,サーバ/クライアントプログラムの拡張性・保守性の向上が期待できる.