オブジェクト指向プログラムの動作を理解するためには,生成されるオブジェクト群がどのようにメッセージ通信を行うかを理解する必要がある.しかし,オブジェクトの動作は動的束縛などによって動的に決定されることが多く,静的な情報であるソースコードからオブジェクトの動作を理解することは困難である.本研究では,Unified Modeling Language (UML)のシーケンス図に着目する.プログラムの実行履歴を基にシーケンス図の作成を行うことで,プログラム実行中に生成される各オブジェクトがどのように動作するのかを視覚的に示す.一般に実行履歴は膨大な量に上るため,作成されるシーケンス図は非常に大きくなる.この問題に対し,本研究では,実行履歴中から繰り返しや再帰構造になっている部分を検出し,簡潔な表現に置き換えることで,提示する情報量を削減する手法を提案する.