UNIX上で日本語TEX環境を構築するには,ヨーロッパ語圏で用いられているteTEX以外にも,日本で個別に開発されている多数のソフトウェアが必要である.しかしこの多数のソフトウェアは,インストール方法はもちろん,配布場所やバージョン管理手法もまちまちであるため,取り扱いに大変な手間を要する.そこで,このソフトウェア群をひとまとめにしてすぐに動くよう調整した日本語TEXディストリビューションptetex3を開発している.ptetex3は個人ユーザに利用されるにとどまらず,国内のLinux OS付属のTEX環境としても採用されはじめており,着実に普及しつつあると言える.オープンソースソフトとして開発しているptetex3について,開発方針や普及活動を報告し,広く使われつつある理由を考察する.