本解説論文では,近年目覚ましく研究が進展した音楽の音響信号の認識・理解と,長年の研究により性能が向上した音声の音響信号の認識・理解について,その研究の現状を紹介する.インタフェースやインタラクションに関連した学会においても,音楽・音声に関わる研究成果が数多く発表されているが,音楽・音声の分野外の人達にとって適切な文献を知ることは容易でなく,それらの認識・理解技術に関する最新の状況を知ることは難しかった.インタフェースを発想する上では,詳細な実現方法より前に,どのようなことが可能になっているのかを知ることが重要である.そこで本論文では,さまざまな研究事例を紹介すると共に,研究で活用できるツールや関連学会等の情報も紹介する.