本研究は,植物の性質を用いたインタラクティブシステムの構築を支援することによって, 有機的に変化するインタラクションや自然とのインタフェースを生み出すことを目的とする.まず関連研究と植物の性質を調査する中で,インタラクティブシステムへの植物の利用可能性を検証した.これに基づき,植物の性質を利用するためのI/Oデバイスと植物電位解析ソフトウェア,データベースシステムを開発した.これらの支援ツールを用いて,植物インタフェース構築のためのプラットフォーム,植物とのコミュニケーションを支援するプロダクト,植物の生きているリズムを可視化した環境デザインのためのモジュールユニット,植物の栽培支援メディアのプロトタイプ,植物と人間と環境による即興音楽を生成するシステム,植物の形態・生長状態を通して情報を伝達するアンビエントディスプレイを開発し,本支援環境の有効性を検証した.最後に,ワークショップを通した評価結果を提示し,考察と今後の展望を示す.