「キラキラ」「もこもこ」といったオノマトペを用いた表現は日常会話や文章,漫画の中で慣れ親しまれているが,コンピュータとのインタラクションではあまり活用されていない.そこで本研究では感覚的で親しみやすいといったオノマトペの特徴を活かしたインタラクション手法を提案する.今回試作したペイントシステム「オノマトペン」では,オノマトペを声に出しながら線を引くことで,そのオノマトペに応じた質感や形状の線を描ける.例えば「ギザギザ~」と言いながら線を描くことでギザギザした折れ線が描かれる.声に出しながら絵を描くというマルチモーダル性や,語感から質感をイメージしやすいというオノマトペの特性によって,ブラシの種類をボタンで選ぶ従来の方式に比べ感覚的にブラシを切り替えながら描くことができる.試作したオノマトペンをユーザーに試用してもらった結果,すぐに使い方を理解できることや,より楽しく絵を描けることが分かった.