本論文では,手続き型プログラムを対象とする型検査に基づく情報流解析における型エラースライシングの手法を提案する.提案手法は,関数型言語を対象とする既存の型エラースライシングの考え方に基づいている.型検査に基づく情報流解析ではプログラム中に不正な情報流が存在しないか静的解析によって判定できる.しかし,不正な情報流が存在すると判定された場合に,プログラムのどの部分が原因であるか特定することは容易ではない.この問題に対処するため,型エラースライシングによって原因箇所をプログラムスライスとして抽出するアルゴリズムを与える.提案手法をプロトタイプツールとして実装し,いくつかの簡単なプログラムに適用した.