ソフトウェア開発工数予測において,線形重回帰モデルは最も基本的な予測モデルとして多くの採用実績がある.その適用の前処理として,変数変換(特に,対数変換)が有効であるが,その理論的根拠は必ずしも明らかでなかった.本論文では,対数変換を行った線形回帰モデルは,指数曲線モデルと等価であり,ソフトウェア開発データの特徴を表すのに適していることを示す.ただし,対数変換を行ってから線形回帰を行うと,逆変換する際に過小予測するバイアスが発生してしまうことは見過ごさがれがちである.本論文ではその補正方法も示す.