ネットワークの構造とその上で起こる現象の関係を知ることは重要な意味を持ち,様々な研究がなされている.しかし,それらの研究では,全体のネットワーク構造を対象としているものが多く,局所的な構造の変化が現象に与える影響を調べているものは少ない.また,現実に存在するネットワークにおいて全体を変化させることが難しい場合でも局所構造の変化は容易に実現できるという点に着目したものは少ない.本研究では,次数分布を固定した状態で2つのエッジのつなぎ換えによって局所構造を変化させ,同期現象の基礎的プロセスをモデル化したコンセンサス問題の収束時間と局所構造の変化の関係について調べた.はじめに,局所構造の変化を表す指標として媒介中心性の積を提案し,その指標と収束時間に関する法則性を見出した.また,媒介中心性を考慮したつなぎ換えによって,所与の収束時間となるようなネットワークを生成できることを示唆した.