プラットフォームを利用したアプリケーションの開発には,そのアーキテクチャを理解した上で,個々の機能に関する知識が要求される.本論文は,個々の機能に関する知識の獲得を支援する手法を提案する.提案手法ではまず,複数の知識源に分散している機能に関する記述を,学習項目と呼ぶ単位で整理し体系化する.これにより,学習者は学習項目に関連する知識を漏れなく取得できるようになる.次に,プラットフォームを網羅する学習項目全体に対してサンプルアプリケーションを用いた絞り込みを行い,一回の学習に必要とされる量のまとまりを自動的に抽出する.このとき,実例から得られる知識も追加する.携帯電話プラットフォームGoogle Androidを対象に適用実験を行った.主要なAPI 94種類に関する知識を328個の学習項目に整理した.提案手法に基づき学習支援を行うソフトウェアを作成し,Androidのサンプルアプリケーション7つに対して手法を適用した結果,それぞれのサンプルが利用するプラットフォームの機能を理解するのに必要な文書を,公式ドキュメント全体の約3.5%に絞り込むことができた.