多数の企業で用いられているソフトウェア規模の尺度であるソースコード行数(SLOC;Source Lines of Code)は,同一機能を実装した場合であっても,実装者によって値が大きくばらつくという問題がある.本論文では,この問題の軽減を目的として,同一の機能仕様に基づいて実装された9個のプログラムを分析した結果に基づいて,トークン数,クローン量,関数の仮引数の総数を組み合わせることで,実装者に依存しにくい規模の尺度ALOC(Adjusted Length of Code)を導出した.この9個のプログラムには,SLOCに3.16倍の差があったが,ALOCの導出値の差は1.22倍となった.さらに,導出した尺度ALOCを別の仕様の6個のプログラムに適用した結果,SLOCの4.66倍の差に対して,ALOCは1.60倍の差となった.