いわゆるWeb 2.0の潮流の中で,状況に応じてWebアプリケーションを迅速に開発する手法として「マッシュアップ(mushup)」が行われるが,この際に,ユーザ認証についてのシングルサインオンや,Webサービス間のリソースアクセスについての仕組みが求められる.近年,Webサーバ上のリソースへの代理アクセスを認可する機能についてもオープンな仕様の策定が求められることになった.本稿においてはリソースへの代理アクセスを認可するOAuthのプロトコル仕様の変遷を解説する.堅実なセキュリティの観点からの主張と,実装の容易性の観点からの主張がせめぎあいながら,このプロトコル仕様は変化している.