自由度の高いソフトウェアの設計において,偶然ではなく繰り返される問題や解決をデザインパターンとして識別し,再利用することが効率性と一貫性の向上に欠かせない.本論文では,理解や再利用,対話を目的としたオブジェクト指向開発におけるデザインパターンの有効活用を目的として,デザインパターンへのソフトウェア工学上の取り組みの発展経緯を解説する.続いて,デザインパターンに関する適用や検出,検証といった主要な研究成果を取り上げる.