現代の空調システムには,温度設定が部屋単位であることや人間の室温の感じ方の差など課題がある.本研究では,その解決手法としてインタラクションの観点から使いやすい風をつくりだすAirSketcherを提案する.AirSketcherは直接的で多様な風を容易につくりだすことができる扇風機(送風)システムである.扇風機にインタラクティブ性を持たせ,ユーザが意図通りの風を操作可能にすることで,空調に対する不満を解決できるのではないかと考えた.本研究では風を制御するインタラクション手法として風を操るかのようなメタファで風を制御するAirWand, 風を描くメタファを用いて風を制御するAirCanvas, 風を受け入れるか否かをカードによって指示するAirFlagの3つを考案し試作した.そして,それぞれの特徴をまとめ,利用シーンから手法について考察する.最後に,インタラクションデザインの観点から今日の空調の課題を踏まえてAirSketcherについて議論する.