近年,装着型センサ等を用いてユーザの行動や状況(コンテキスト)を認識し,さまざまなサービスを提供するコンテキストアウェアシステムが多数提案・実用化されている.コンテキスト認識に用いられているセンサは加速度センサやジャイロセンサなどユーザの動きに基づくものが多いが,そのようなセンサでは食事中やトイレ中など動作だけでは認識が困難なコンテキストが存在する.そこで本研究では,空間に漂うにおいが時間や場所,状況によって変化する点に着目し,装着型においセンサに基づくコンテキスト認識手法を提案する.提案手法では,においの特徴に基づいた認識を行い,従来困難であったコンテキストを認識可能にする.評価実験から食事中94%,トイレ中97%の認識率が得られることを確認した.また,提案手法の利用例として,いくつかのアプリケーションを実装した.