項書き換えシステムの可換性は合流性を一般化した性質であり，可換性に基づく項書き換えシステムの分解は項書き換えシステムの合流性の証明に利用できる．項書き換えシステムの可換性を示す方法がいくつか知られているが，これらはみな危険対解析に基づく条件に基づいている．一方，抽象リダクションシステムの可換性証明法として減少ダイアグラム法が知られている．しかし，減少ダイアグラム法を項書き換えシステムの可換性証明へ応用した研究はほとんど報告されていない．本論文では，片側減少ダイアグラム法を提案し，片側減少ダイアグラム法に基づく項書き換えシステムの可換性証明法を示す．