対話的な分散アプリケーション開発のためのLisp環境LESAの設計・実装を行った.LESAはプロセス代数の一種であるSafeアンビエントに基づきアンビエントと呼ばれる計算の場の概念を導入している.アンビエントの導入によって分散アプリケーションを階層的に構成し,それらの構造を見通しよくすることができる.また,Lispの利点である対話環境をSafeアンビエントに即して拡張した.これを用いて例えば,複数のユーザが対話環境を繋げて協力して分散アプリケーションを開発するといった応用が考えられる.ユーザは,必要な機能をプロセスとして表現し,初期状態のアンビエント(ホームアンビエント)中に少しずつ追加することにより,対話的かつ段階的にアプリケーション開発を進める.さらに,LESAは,実行中のアンビエントの階層構造を表示するGUIも提供している.