高品質ソフトウェア開発の実現は重要な課題であるものの,それを達成している開発組織は少ない.本論文では,ソフトウェア開発の品質問題を解決するために日本電気株式会社が考案した品質管理手法「ソフトウェア品質会計」を論述する.さらに,従来からの品質会計の適用方法を見直すことによって品質向上を実現した事例を紹介する.その改善事例に基づいて,品質会計の厳格な適用と品質会計を取り巻くソフトウェアプロセス全般に対する総合的な取り組みが,高品質ソフトウェア開発の実現に効果を発揮することを示す.