本論文では,専門知識を持たないユーザが,ロボットが目的地まで移動するための経路をデザインする手法を提案する.ユーザはPebblesと呼ぶタンジブルデバイスを環境内に設置することによって,ロボットが移動すべき経路を構築することができる.各デバイスは,赤外線通信機構を備えており,各Pebblesから見えているPebblesの情報を交換しあうことによって,ネットワークのトポロジを把握する.ロボットはトポロジ情報を用いて移動を計画し,デバイスからの信号を頼りに経由地の方向を知ることができる.設置の際に,見通しがとれていることを保証するために,LEDと音声を用いたユーザへのフィードバックを備えており,これにより専門知識を持たないユーザでも正しい場所にデバイスを設置することができる.また,ロボットが移動する目的地には,タンジブルデバイスを置くこととなるため,その場所を示す名前とロボットが理解するデバイスのIDを対応付けることが容易で,ユーザが場所を指定する際に自然な名前に基づいて指定することを可能にしている.ユーザスタディを行い,用意したフィードバックが専門知識を持たない実験参加者をサポートすることにおおむね役立ち,ロボットが移動できるようデバイスの設置を行うことができることを示した.また,実験参加者から得られたコメントをもとに議論を行う.