ソフトウェアの大規模化,複雑化に伴い,ソフトウェア保守は困難な作業となっている.ソフトウェア保守を困難にする要因の1つとしてコードクローンの存在が指摘されており,コードクローンに関する研究が盛んに行われている.しかし,コードクローンの主な生成要因であるコピーアンドペーストによる既存コードの再利用には,既存の機能と類似する機能を高速に実現できるという利点がある.また近年の調査の結果,すべてのコードクローンが必ずしもソフトウェア保守に悪影響を与えているとは限らないという報告がなされている.このような背景から,コードクローンを管理する技術が求められているといえる.本稿ではこれまでに報告されている研究成果の中から,コードクローンの管理を行う上で有用な研究成果を紹介する.