実行時に起こる変化を検知し,要求を満たし続けるようソフトウェアの構造・振る舞いを自身で変更するソフトウェアは,自己適応ソフトウェアとして,その有用性が認知されている.自己適応ソフトウェア開発では,従来のアプリケーションロジックに加え,自己適応性のためのロジックを設計する必要がある.本論文では,近年特にソフトウェア工学の分野で議論されている,自己適応ソフトウェアのための自己適応性設計に関する研究動向を調査する.本論文では,自己適応性のロジックをモデル化する手法として広く用いられている,Monitor-Analyze-Plan-Execute-Knowledgeループの観点から,各要素の概要,研究課題,既存研究のアプローチを紹介し,今後の研究課題について議論する.