既存システムの再利用開発手法を用いたシステム開発プロセスの効率化に対する期待が高まっている.顧客の要求を正しく反映し再利用すべき機能を容易に選択できるよう,過去に複数の既存システムに共通して存在するゴールを集約して作成された結合ゴールモデルを用いる手法が提案されている.しかし大規模システムのゴールモデル中から結合ゴールモデルの核となる共通ゴールを正しく判別することは困難である.そこで本研究では,効率よく共通ゴールを判別するための手法を提案し,それをツールに実装した.その際手法の精度を上げるために,ゴール間の類似度だけではなくゴールモデルの構造に基づいた判別ルールを提案している.テレビ・SNS・就職支援システムのゴールモデルを用いた実験の結果から,提案ルールが有効な場合とそうでない場合があることがわかった.またカメラのゴールモデルを用いた実験結果から,提案手法を使うと効率よく共通ゴールを判別できることが確認された.