本稿は、鶴田一郎著「V. E. フランクルにおける「生きがい論」の射程-自己実現から自己超越へ-」に関する査読論文である。鶴田は、V. E. フランクルの「生きがい論」を検討することによって、現代の「生きがい論」の課題として4つの視点を抽出した。しかし、現代という時代に関する鶴田自身の見解が述べられていないため、彼の抽出した視点の妥当性や重要性を評価することは困難である。また、宗教の位置づけがフランクルのそれとは異なると思われるが、これに関しても明確な議論がなされていない。したがって、現段階では評価が難しいという意味で、論文の評価は0とし、主としてこの2点に関する加筆を期待する。