有効な喫煙室の設置が求められている.その条件として,タバコの煙が喫煙室から漏れないことおよび喫煙室内の空気環境を良好に保つことを満たすことが必須である.ここでは,煙の漏れを防止するために非喫煙場所から喫煙室に向かう空気の流れが出入口面で0.2m/秒以上になる排気風量と,喫煙室内部の空気環境を良好な状態に保つための排気風量を時間当たりの喫煙本数と評価基準(0.15mg/m3)から求め,両者を比較して大きい方の排気風量で設計すれば有効な喫煙室を設置できることを,対策実施結果と比較することによって確認した.また,喫煙による室内汚染の評価には,タバコから発生する浮遊粉じん濃度の測定が鋭敏で簡便な方法であるが,タバコから発生する粉じん濃度は空間的,経時変化が大きいことが知られている.従来から1分間隔で連続10分間以上の測定による評価がなされているが,長時間の経時的な変化を測定するリアルタイムモニタリングにより,喫煙室から非喫煙場所への漏れと喫煙室内部の空気環境とを測定し,その有用性を確認した.