職域における抑うつと完全主義との関係について調査を行った.対象は大手建設関連会社に勤務する380名で,ベック抑うつ尺度,桜井・大谷による新完全主義尺度などの質問紙調査を行った.新完全主義尺度のうち「ミスを過度に気にする傾向(CM)」は年代を問わず抑うつと正の相関関係にあった.しかし「自分に高い目標を課する傾向(PS)」については若年群では抑うつと負の相関関係にあったが中高年群においては抑うつとの間に有意な相関関係が見られなかった.抑うつに至る背景にはこのように年代間で差異があると考えられた.