高齢者介護施設の介護労働者における腰部負担を評価するために,30秒スナップリーディング法を用いて,6名の介護労働者の作業内容および作業姿勢を調査した.また,傾斜角モニターを用いて,上体傾斜角の調査も行った.作業内容については,「入浴・洗面関連」が勤務時間の22.5%,「食事関連」が21.1%を占めていた.「排泄介助」「移動・移乗介助」および「シーツ交換」はそれぞれ9.3%,8.7%および8.3%であった.介助作業を合計すると43.7%であった.作業姿勢については,「立位」が勤務時間の36.1%,「前傾」が29.5%を占めていた.腰部負担のある3姿勢(「前傾」「しゃがみ」「膝つき」)を合計すると39.0%を占めていた.上体傾斜角が20度以上の時間帯は45.7%に及んでいた.「入浴関連」「シーツ交換」および「排泄介助」における腰部負担姿勢はそれぞれ68.3%,58.2%および49.6%を占めており,これらの作業は腰部への負担がかなり大きいものと考えられた.