食品中の農薬残留モニタリングのための多成分分析法を検討した. ろ過, 塩析及びアセトニトリル層の分取操作にメスシリンダーを用いた方法を考案し, 多数試料の前処理における効率性を向上させた. また, 多数試料を連続してGC分析するためのGPC及びミニカラム精製条件を確立した. 更に, GC-ECDにデュアルカラム方式を用いて, 1回の注入により58種農薬の分離定量を可能とした. その結果, 全体としての分析時間を大きく短縮できた. 添加回収率は, 53種農薬について70%以上と良好であった. 本法により農薬が検出された10検体延べ23農薬の分析値と従来法による分析値には, よい相関が認められ, 本法が迅速性に優れた信頼性のある分析法であることが確認された.