魚肉, 獣肉加工品などの高タンパク食品中の21種のタール色素分析時の前処理法について検討した. 食品からの抽出溶媒は4mol/L尿素及び28%アンモニア-メタノール-4mol/L尿素 (7 : 80 : 20) 混液を用いた. クリーンアップはSep-Pak Vac C18カートリッジを使用し, イオンペア法で行い, 溶出溶媒は0.025mol/L酢酸アンモニウム溶液 (0.01mol/L臭化テトラブチルアンモニウム (TBA) 含有)-アセトニトリル (1 : 1) 2mLと同溶液-イソプロパノール (1 : 1) 2mLを用い, 0.1mol/L TBAで5mLとした. 同定・定量は2種の移動相のフォトダイオードアレー検出器付きアイソクラティックHPLCで行った. かまぼこ, ハム及びたらこへの添加回収実験 (各色素10μg/g) の結果はグリーンS, エリスロシン, ローズベンガルを除いてそれぞれ91.0, 85.5及び85.4%以上であった.