プラスチック製器具・容器包装及び乳幼児用玩具中のノニルフェノール (NP) 残存量をGC/MS-SIMにより測定したところ, ポリ塩化ビニル (PVC) 製ラップフィルムと手袋で全検体から10~2,600μg/gと高濃度の残存がみられ, ポリスチレン (PS) 製使い捨てカップでも高頻度であった. その他, ポリカーボネート, ポリプロピレン, ABC樹脂, スチレンブタジエン製品からも検出されたが, ポリエチレン, AS樹脂, ポリ塩化ビニリデン製品では検出されなかった. NPが残存していたPSカップ, PVCラップフィルム及び手袋について溶出試験を行ったところ, n -ヘプタンにより極めて高い溶出が認められた. 一方, NPを含有する試料から酸化防止剤のトリス (ノニルフェニル) フォスファイトが検出され, これが分解してNPが生成したものと推察された.