畜産食品中の5種の動物用医薬品 (6化合物) の一斉分析法を検討した. 試料をアセトニトリルで抽出し, 脱脂後, 肉の場合は, 抽出液をアルミナカラムで精製する方法で, 肝臓・腎臓・牛乳の場合は, 必要に応じてpH7の緩衝液を加えて硫酸アンモニウム飽和として酢酸エチル- n -ヘキサン (8 : 2) で抽出後, アルミナカラムで精製する方法で試験溶液を調製した. 試験溶液を紫外及び蛍光検出器付きHPLCで分析した. クロマトグラム上には試料のピークが若干認められたが定量には影響がなかった. 添加回収率は60%以上であった. 本法は, 簡便かつ迅速で基準値に対応できることから, これら動物用医薬品の実用的なスクリーニング法と考えられた.