6店舗で購入した市販魚のノニルフェノール (NP) 汚染を調査した結果, 35検体中24検体から9~800ng/gのNPが検出された (検出限界8ng/g). 購入した店舗間で魚のNP汚染に差が認められたことから, 包装材の n -ヘプタンによる溶出試験を行った. その結果, NPが検出された魚の包装に使用されていたラップフィルムから70~931ng/cm2のNPが溶出したが, NP不検出の魚の包装ラップフィルムからはほとんど溶出しなかった. 耐衝撃性ポリスチレン製トレイからもNPが溶出したが, トレイと魚汚染レベルとの関連性は低かった. これらの結果から魚のNP汚染には包装材, 特にラップフィルムからの移行の関与が強く示唆された.