容器入り飲用水170検体の微量元素22種の濃度をICP質量分析法を用いて分析を行った. 試験溶液は, 調査対象元素に対する分子イオンの影響が小さい硝酸溶液とした. 添加回収実験の結果, いずれの元素も94%以上の回収率が得られ, CV値は0.2~3.9%と良好な結果が得られた. 温泉水使用のものではLi, B, Al, As及びMo, 海水使用のものではB, 鉱泉水使用のものではLi, Mn, Rb, Sr及びBaの濃度が全検体の平均濃度より高かった. 鉱水使用のものでは, 輸入品の平均濃度が高い傾向が見られた. 特に, Rb, Sr, Ba及びUでは有意差が認められた. 湧水使用のものでは, Li及びMnでは輸入品の平均濃度が高く, 有意差が危険率0.1%以下で認められた. 清涼飲料水の製造基準の基準値を超えるものは認められなかった. また水道水水質基準の基準値を超過するものが4検体認められた. 国産品と比較して輸入品は基準値を超える比率が12倍程度高かった.